京都の宿泊バク益?

京都市内の宿泊施設には、新型コロナウイルス禍によるインバウンド(訪日客)の消失と需要の減少が影響して、淘汰の波が押し寄せています。収束後の需要回復を見越した高級ホテルなどの進出は相次いでいるものの、一方で老朽化した設備や競争力の低下したホテルは経営が厳しくなり、自己破産や休廃業を余儀なくされています。

例として、ホテルルビノ京都堀川は50年の歴史を持つ福利厚生施設であり、老朽化が進んでいたため改修工事を計画していましたが、コロナ禍による利用者減少により経営が困難になりました。同様に、御所西京都平安ホテルも建物の老朽化に加え、コロナ禍での資金繰りの悪化が重なり営業を休止しています。

さらに、京都シティホテルは施設の老朽化とコロナ禍前のホテル開業ラッシュによる競争激化に苦しんだ結果、破産手続きを行うことになりました。一方で、新しく開業したホテルも観光需要回復を見込んで開業したものの、コロナ禍の長期化で資金繰りに行き詰まった例も見られます。

京都では、高級ホテルや交通アクセスの便の良い場所に位置するホテルは収益性が保たれている一方で、市中心部から離れた場所のホテルは客室単価を引き下げる価格競争が起こっています。中価格帯のホテルや立地の良くないホテルは今後も苦戦するとみられています。

このように、京都市内の宿泊施設には淘汰の波が押し寄せており、需要回復を見据えた進出と競争の激化が経営に影響を与えている状況です。

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