空き家の活用

京都市東山区の閑静な住宅街である今熊野学区では、約10年前に世帯数の1割弱にあたる約170軒の空き家が存在していた。この地域では、相続人がいない、家を手放したくない、売れないといった様々な事情が空き家所有者に存在している。そこで、地域のNPO法人が設立され、相談に応じて専門家を紹介し、空き家の売却や活用をサポートしてきた結果、現在の空き家数は約130軒まで減少したという。しかし、新たな空き家が次々と発生している実態もあり、市は2026年に「別荘・空き家税」を導入する予定だが、課税の条件から非課税となる物件も多く存在しているため、NPO法人の代表は、空き家問題解消のためには、税収を物件の購入補助金に充てるなど、住む人への支援が必要と訴えている。また、木造の老朽化した空き家は非課税となる場合が多く、特に路地沿いにある古い空き家は再建築が困難であり、購入者が融資を受けにくいため、中古市場での流通も進んでいない。一方、民間事業者の中には路地の空き家再生に取り組んでいるところもあり、これらの取り組みが成功すれば、若者も地域に残る可能性があると期待されている。ただし、新たに導入される空き家税の税収の使途は特定されておらず、NPO法人の代表は税収の使われ方をチェックする必要があると強調している。

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