本年度で役割を終える京都市伏見区深草の伏見工業高跡地などで、京都市が二酸化炭素排出量ゼロを目指した住宅街の整備に乗り出す。太陽光発電や高断熱を最大限に取り入れた計約400戸の新しい街を作る計画で、今冬にも開発を担う事業者を決める。
整備するのは学校跡地約3万4千平方メートルと、隣接する上下水道局の用地約6千平方メートル。戸建て100戸、集合住宅300戸程度に加え、商業施設や公園などを設ける。6月上旬に事業者から活用計画を募る。選定した事業者に敷地を売却し、校舎など建物の撤去や住宅開発、販売を委ねる。
活用計画では、太陽光発電や蓄電池の導入、断熱性能の向上などでエネルギー収支が実質ゼロとなる住宅にすることを求める。子育て世代の定住促進や、近隣住民も使える公園や商業施設などにぎわい創出に向けた提案も募る。
京都市は国の「脱炭素先行地域」に選定されており、交付金を活用して脱炭素仕様のモデル街区にする狙いがある。11月ごろまでに事業者の提案を審査、選定し、2027年度末までに住宅など街区の完成を目指す。
現地は京阪伏見稲荷駅から徒歩約5分。不動産価格の高騰などで市外への人口流出が課題となる中、市環境政策局は「市内では非常に大きい土地で400戸に約1千人が集まる。若者、子育て世代にも集ってもらい、脱炭素とともに地域住民と一緒になった円滑なまちづくりを実現していきたい」としている。
伏見工業高は全日制が16年に京都工学院高(伏見区)へ、定時制が21年に校地内に新設された京都奏和高に統合、再編された。旧校地は21年以降、定時制が実習棟だけ利用してきたが、本年度末で閉鎖される見通し。
少子化ながれの中、跡地再利用があちこちで行われますね。無駄な転用にならない様に何が必要か・地域のためになるものなのか・行政、地域住民、学識者の垣根無い話し合いのもとで後の財産となるような決定手法を望むところです。間違っても一部の利権者の利益になる事に重きをおく繰り返しは、いい加減失望しておりますが、宜しくお願いしたいものです。